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年内最後かもしれない登山、そして不死鳥(前編)

※注:今回の記事めちゃくちゃ長いので前後編に分けます


今年最後かもしれない登山

に行ってきた。場所は丹沢・大山。

2年半以上前にも一度行っている。その時は3月の中旬の残雪期だったが、今年はまだ紅葉のきれいな頃に登ることができた。
最後に登山に行ったのは8月頭、C104の前に千葉県は乾坤山に行ったきりで、実に3か月半ぶりくらいだ。そもそも1か月に1回のペースですら行けてないのだが、9月10月はさらに週末を狙い撃ちにするかのように天気が崩れることが多かったような気がする。そんなわけでかなり久しぶりの登山だったのだが、多少寒くなってはいたものの幸いなことに紅葉がピークのころに天気にも恵まれて登山することができた。

というわけでせっかくだから山行記録を残すことにする。


山行計画

とりあえず新宿まで移動し、

行きは

  • 新宿駅(小田急線新松田行き)→本厚木
  • 本厚木バスセンター(厚33 七沢行き)→広沢寺温泉入り口バス停

帰りは

  • 大山ケーブルバス停(神奈中バス 伊勢原駅直通)→伊勢原駅
  • 伊勢原駅(小田急線新宿方面行き)→新宿駅

    というルートだ。

本来目的である大山山頂は、ふもとからケーブルカーが出ていて阿夫利神社下社までは簡単に行くことができる。山頂にある奥の院を目指すのであれば、そこから登山道に入り約90分間のルートを登るというわけだ。下りは登りよりも時間を巻けるため、60分程度だ。

しかし私はたかだか90分程度の登りをしに行くのではない。年内最後になるかもしれない登山をしに行くのだ。
というわけで上図のとおり、できるだけ長く、かつ現実的に安全な時間に下山できるであろうルートを組んだ。
春夏ならともかく、11月末ともなれば16時には完全に行動を終了できる想定でスケジュールを組むのが安全だ。1泊前提ならばともかく、特に日帰りとなれば。
そもそも1回行ってる山ではあるのだし、という気持ちの余裕もあり広沢寺温泉入り口から不動尻までは前回と違って鐘ヶ嶽という山頂を経由するルートで行くことにした。


準備と余談

私は日ごろGarminのfenix 7Xというスマートウォッチを愛用している。22年の9月に購入し、私の使い方で大体2週間に1回、2時間程度の充電で使い続けられるので、ほとんど24時間365日つけっぱなしにしている。日常的なバイタルのデータ収集、ランニングなどのアクティビティの管理、登山のナビゲーションもろもろ大変役立ってくれている。
今回もヤマレコで作成したルートをfenixに転送し、ナビゲーションを行うことにした。後述するが、これに大いに助けられることになる。もはやこれがなくては登山できない、命綱のような存在だ。

余談だが、この手のデバイスには必ず「2~3年でバッテリーが劣化するようなものに何万円も出せない」という意見がつく。まったく理解できないわけではないがたぶんそれは使い方の問題で、私にしてみれば12~13万円そこらで日ごろの運動や健康維持のモチベーションを支えてくれて、登山での安全が買えるのなら安いものだ。


広沢寺温泉入り口~鐘ヶ嶽山頂

ルート上、浅間神社という神社を経由するらしい。舗装された道をすすみ、登山道への入り口を見つける。

浅間神社の歴史について書いてある
まさに「入口」という雰囲気で、ワクワクする

道なりに進むとフェンスが設置してある。あくまで動物による被害が起こらないように設置されているもので、通行禁止などではないのでちゃんと通れる。
開けっ放しにしないよう注意書きもしてある。

一応この先の神社への参拝のルートでもあるためか、思ったより登山道は整備してある。
ちゃんと道は切り開かれているし、ところどころに「●丁目」と書かれた道標のようなものが設置されていてちゃんと登山道を進めていることを認識できる。ピンクテープも細かい感覚で巻かれていて、ここでの道迷いはまず起こらないだろう。

しかし後述するが、登山目的以外で参道として歩く人がどれだけいるのか…?

割とわかりやすい登山道
ところどころに置かれた道標

ところで途中に【上杉公内室の墓】なる標識があり、「3分程度なら行ってみるか」と思ったのだが、なんだか道が不明瞭だったのでやめた。そういえば思い出したが、私はそもそもスケジュールにないことはしたくないチキンなのだった。

そんなわけで比較的わかりやすい登山道を登り続け、だんだん空が明らんできた。どの辺から撮ったのかは忘れたが、もうすでに景色がいい。

そしてついに序盤の壁にぶつかる。正確には壁というか坂というか階段というか…。
先ほど「ここを参道として歩く人がなんたら」と書いたのはこれだ。登山者としても見るだけでちょっと嫌になる階段だが、これを登ってわざわざ神社にお参りに行く参拝者が果たしているのか…?

見るからにえぐい階段
しかし先は長い

しかしこの辺りはルート全体の進捗でいうとまだまだ序盤も序盤だ。こんなところで音を上げているようでは今回のルートの完走など無理に決まっている。それにしても今回のルートみてのとおり登りがとにかくえぐい。上の図を見てもらえればこの先にどんな困難が待ち受けているかよくわかるだろう。

これはfenixで記録したGPSログの標高の変化を記録したもので、私の歩いたルートの断面図のようなものと言っていい。
赤丸のあたりの小さな突起が、この先にある鐘ヶ嶽山頂を指し示している。
そして右のあたりにあるひときわ大きい凸の部分が、目的地である大山山頂だ。先は長い。

そんなこんなで何とか階段を登り切り、浅間神社へ到着。
すでになかなか疲れているが、こんな時間に人一人いない神社の空気を堪能するのはなかなか悪くない体験だと思う。
到着時刻は覚えていないが、すでにヤマレコで作成した想定ペースより20分程度はやく到着することができた。なかなかいいペースだ。

東側にはここから見える景色の解説がある
スマートフォンのデジタルズームで撮ったのでガビガビだが、確かにスカイツリーやランドマークタワーが見える

鐘ヶ嶽山頂までは残り60m。余談だが鐘ヶ嶽山頂は木に囲まれてて展望はないので、神社で休憩しながら写真でも撮るのがいいだろう。

てなわけで鐘ヶ嶽山頂到着。fenixの高度計はわずかに誤差ありだが十分優秀。ところで大山山頂の標高は約1230mくらいなのだが、この時点でまだ600mにも達していないことからしてこの先の困難が察せられる。


鐘ヶ嶽山頂~不動尻

正直この辺はあまり特筆すべきことがない。しいて言えば、標高グラフをみてもらえばわかるとおり鐘ヶ嶽山頂までせっかく標高をあげたのにしばらく下りが続くことにちょっとうんざりした程度だ。まぁ歩きやすくて体力を温存できるのはありがたいのだが。特に道迷いしやすい場所もなかった気がする。なぜならGPSログを見ても道を間違えて引き返したような記録はないし、この記事を書くために写真を見返していてもとくにこのあたりのエリアで撮った写真がなかったからだ。気を付けるべき箇所があれば何かしら写真に残すだろうが、おそらく何もなかったのだろう。

しばらく道なりに歩き続けると、いったん登山道から舗装された一般道に出て、沢沿いを歩くことになる。
歩きやすくゆるやかな道で少し体力を温存させよう。

地図でいうとこの辺
道路と合流していることがわかる

不動尻までは何事もなく到着することができた。
そしてこの先にどうやら滝があるらしい。もともと滝を見に行くことはコースに入れておいたので、見に行ってみることにする。

案内板どおり、大きな滝ではないものの、間近で見られるので迫力を感じる
このさらに先にも滝が見られるスポットはあるようだが、今回はここまでとした
もともとキャンプ場だったらしく、不動尻にはしっかりとした休憩地点があるのもうれしい

そういえばの話なのだが、この日登山を始めてから誰一人すれ違っていない。自分の後ろから登ってくる人もいない。大山自体はめちゃくちゃメジャーな山のはずなのだが、やっぱりこんなルートで登ってくる登山客はいないのだろうか。私はあんまり人が多すぎてギュウギュウの状態で登るのは好きではない(それが好きな登山者なんていないだろうが)のであえてマイナー目なルートで登っているところはあるのだが、こんなにも人がいないルートだといざというとき本当に誰も助けてくれないという覚悟だけは必要だなと。


てなわけで前編終了

後編は

  • 不動尻~唐澤峠
  • 唐澤峠~大山山頂
  • 大山山頂~下山
  • いろいろ所感

というセクションで書く予定。